今年になって、Ergonomicsという出版社にインソールのメカニズムについて発表することができました。これは、私が開発したISEALテクノロジー(特許6522754号)の根幹を成す内容も含まれていて、履物設計における土台となる論文となります。

この論文は、オープンアクセスでは無いので、内容の詳細までを完全に公開することはできませんが、基本的な内容をご紹介しようと思います。

色々とあり過ぎると、話が分かりにくくなるので、今回は履物の「かかと周辺の構造」について、お話します。

ファッション性の高い履物においては、健康を犠牲にしていることもありますが、大切なのは「健康効果を大々的に謳う履物にも、この基本的構造を無視したものが多い!」ということになります。

ぜひ一度、自分自身の履物選びにご活用いただきたく思います。

かかとが上がっているのはダメ?

Yes/Noで言うのであれば、「ダメ」です。

かかとが上がっている履物の典型的な例はハイヒールになります。

ハイヒールやパンプスの場合は、足に良くないのはある程度理解したうえで、ファッション的な要素を重視した選択だと思います。

しかし、この基礎的な部分を理解していない「靴・インソール」が普通に市販されているのが怖いところです。また、これらを規制することもできていないのが現状ですので、注意をしてください!

かかとが上がっていると起こり得る危険性!

つま先に体重が乗ることで、ハンマートゥのような足の変形、外反母趾の形成、中足骨の壊死 などのリスクが高まります。

また、歩行時・走行時に着地時の衝撃を吸収させる能力が低下するため、足首や膝への負担が大きくなります。

つまずくリスクが高まる可能性もあり、特別なケースを除いて、かかとが上がっている履物は日常的に、長期的に履くのは控えるべきです!

オーダーメイド・左右非対称の履物は良いの?

良いか悪いかというのは難しいですが・・・オーダーメイドは基本的にダメ(既に足が相当変形していて普通の履物が使用不可な場合は除く

左右非対称は、上記の理由が無い限り、論外です。

オーダーメイドというのは、基本的に人の足型を取って、それにぴったりと合わせるのが基本のやり方ですが、それをして良いのは、既に完璧な足の形を持っている人に限定されます。筋肉の低下や骨の変形などが起こっていた場合は、良くない足の形を正当化し、悪い部分を助長する結果となりがちです。例えば、拇指に体重が乗る癖がついていてそれによって外反母趾が進んでいる人にとっては、その変形にピッタリとあった履物を履くことで、直すことは限りなく難しくなってしまいます。不思議に聞こえるかもしれませんが、オーダーメイド、自分の足にぴったりと合った履物をプロが1から設計すると、足が悪くなる可能性があります。

土台部分だけは別にしっかりと作り、上の部分だけでオーダーメイドな足の形を再現できるように調整をしている場合は、こうした問題を回避できる可能性があります。土台の作り方にもよりますが、ある意味理想的な靴はこうして作るべきとも言えます。しかし、こうした方法で作った場合は、数カ月に一度足のスキャニングを行い続けることが大切になるため、メディカルなレベルで考えていかないと実用的とは言えないかもしれません。

まとめ

かかと部分が前方より高いインソールや履物は、長期使用によって足の変形を始めとした様々な健康被害に繋がるリスクがあります。オーダーメイドなどのインソールも、土台となる部分の構造が適切なものを除いては、お勧めできません。左右非対称の履物は、歩行機能や足の健康を著しく害する危険性があるため、特殊な状況を除いて、日常的に使用するべきものではありません。

ISEALインソールは、歩行やジョギング時の疲労を軽減させる効果があります。また、歩いている時にケガをしないように足首の動きや足圧のコントロールを最適化しています。最近ISEALテクノロジーに関する論文を発表しました! Nagano, H., Begg, R. 2021. A shoe-insole to improve ankle joint mechanics for injury prevention among older adults. Ergonomics, DOI: 10.1080/00140139.2021.1918351

www.iseal-insole.net/jp

また、科学について、YouTube番組を作りました。こちらは、ゴンちゃんとミクロちゃんというキャラクターを使って様々な最先端科学をできるだけ分かりやすく、面白く解説しています。コロナで自粛している間に空気が良くなってきたってホント!?ネズミのミクロちゃんが変わったマスクをつけてるよ!

文責:Dr Hanatsu Nagano

Nagano, H., Begg, R. 2021. A shoe-insole to improve ankle joint mechanics for injury prevention among older adults. Ergonomics, DOI: 10.1080/00140139.2021.1918351

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください