筋肉は、体を動かすのに必要不可欠ですが、どのような原理でパワーアップをすることができるのでしょうか?

パワーという言葉は、色々なところで使われていますが、筋力を増加させることと結び付けて考えた場合、爆発的な力を生み出す能力のことを指します。

つまり、運動の種目で考えると、長距離走というよりは短距離走を指します。

重い物をずっと持っているような持久力はないけれども腕相撲は強い!こういった筋肉です。

運動科学を勉強したことがある人なら、「速筋・遅筋」といった言葉を聞いたことのある人も居ると思います。

速筋は、まさに速く動く筋肉で、一瞬の爆発力を生み出します。それに対して、遅筋は一瞬の爆発力は生み出しませんが、長時間動く耐久性があります。

色で言うと、速筋は白っぽく、遅筋は赤い色をしています。そして、これを詳しく考えていくと、Type I(遅筋)~Type IIA(中間)~Type IIX(速筋)などと分類されることもあります。

遅筋には様々なメリットがあって、特に健康促進を考える上では無視できませんが・・・今回は速筋を鍛えるための原理についてお話します。

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パワーアップをするのに必要不可欠な速筋ですが、白っぽい色をしていて、無酸素状態で働くことが多い特徴があります。瞬間的なパワーを生み出すことはできますが、長く同じ力を維持していくのには向きません。速筋を作り上げていくためのトレーニングのコツは様々ですが、今回は「良く知られていない秘密」についてメインにお話していきます。

その秘密とは、、、

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限界を超えたパワーを出す

後に一般常識についてもお話しますが、「限界を超えたパワーを出す」というのが、速筋を生み出すための秘密である可能性が高いと考えられます。

これだけ聞いても???と思う方が多いと思うので、例を挙げて説明をします。

「100m走のタイムを伸ばすための下り坂」

速く走るためには、上り坂を走ったり、重りをつけて走ることも有効なトレーニング方法の一つです。しかし、秘密は下り坂を走ることにもあります。これは、自分が普段限界と感じている脚の回転の更に上を作り出すからです。

もちろん、平たんな道で走った場合は、そこまでの脚の回転はできないはずですが、一度その回転の感覚を覚えておくと、体全体が一度覚えた動きを再現するために調整を始めていく可能性が示唆されています。

この例だと、筋力増加に加えて、神経伝達性の向上なども速く走れるようになる理由の一つとして挙げることはできますが、原則的な話として、最大パワーを上げる際にはこのような理論が働きます。

分かりやすい説明をすると「体に限界の外を感じさせ、覚えさせる」ことが秘密になります。

既存の筋力トレーニングで、速筋、つまり爆発的なパワーを生み出すときは、「最大パワーの80%+」などを目安にすることが多いと思います。(パート2で詳しく解説する予定ですが)「限界まで重い物、回数は少ない、セット間の時間は長め」などがパワーをつけるコツとされていますが・・・この時に最大パワーの110%位を感じさせることができれば、飛躍的に速筋が作り上げられます。

具体的な110%のトレーニング方法:クレアチン!!??

上述した通り、坂道の下りダッシュは、普段以上の脚の回転を可能にするため、110%のトレーニングになります。

他の秘密は、クレアチンです。クレアチンはサプリメントとして有名で、聞いたことのある人も多いかと思いますが、これは110%のトレーニングを可能にすることを目的としています。

これはプロテインとは異なります。

プロテインは、トレーニングによって傷ついた筋肉を回復させるために必要なタンパク質の供給を目的としています。

(トレーニング→筋肉が傷つく→回復すると前より強くなる)が基本的な筋力アップの原理です。

クレアチンは飲み方にコツが必要で、効果を得る前に、体にクレアチンを染み渡らせる必要があります。(クレアチン・ローディングなどと呼ばれています)

これは、performance enhanced drug(パフォーマンス強化薬)、つまりステロイドなどのドーピングと混同されがちですが、一時的に筋肉を働かせるのではなく、あくまで普段以上のトレーニングを行うことを目的として活用されているため、運動選手などには広く使われています。

比較的、歴史は浅めのサプリメントですが、一応重大な健康リスクや副作用は無いとされています。パワーをつけるための速筋は見た目的にも大きい筋肉になるので、ボディビルダーなども活用しています。

と、ここまで言ったうえで、個人的な意見としては、あまりお勧めはしていません。もちろん、スポーツの大会があって勝つために必要であれば、選択肢の一つとして覚えておくと良いと思いますが、健康促進を考えた場合は、クレアチンは自然なトレーニングから外れているというのが、私個人の意見ではあります。

その理由としては、「内臓などにかかる負荷については、未だに検討の余地があること」、「他の重大なリスク(例)発がん性など もさらなる検証が必要と思われること」、「靭帯、関節などにかかる負担が大きくなりすぎた時に、年齢を重ねた際に後遺症が生まれる可能性があること」などが上げられます。

クレアチン抜きで110%を体感する筋トレ方法

簡単な方法としては、補助に入ってもらうことです。

例えば普段ベンチプレスのマックスが80㎏の人が居れば、90㎏を補助付きで挑戦します。

これで、90㎏を押し上げる感覚を養成します。

もちろん、補助の人が引き上げている分があるので、実際には80㎏以上を押し上げているかは分かりませんが、現在の壁を超える感覚を身に着けることが、パワーの限界を超えていくのに必要な可能性は多々あります。

最後に、パワートレーニングには関係がありませんが、筋トレをする場合は、関節や靭帯などを守っておく必要があります。そのためにも、下肢関節へのダメージを極限まで減らしていく必要があり、普段のウォーキングやジョギングには、ISEALインソールの活用をお勧めします。

また、物理や健康を始めとした様々な科学について、分かりやすく解説したYouTube番組を作成しました。犬のゴンちゃんとネズミのミクロちゃんというコンビが、宇宙の謎を解き明かしていくストーリー仕立てになっています!エントロピー、AI、3Dプリンター、パラレルワールドなどなど、科学的な側面から、世界の不思議と最新テクノロジーについてお話しています!YouTubeのチャンネル登録とご視聴のほどもよろしくお願いいたします。

文責:Dr Hanatsu Nagano

Greenhaff, P. Creatine and its application as an ergogenic aid. International Journal of Sports Nutrition, 5: s100-110.

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