2021年がスタートして、「今年こそは!」と決意して運動を始める方も多いと思いますが・・・ちょっと5分ほどお時間を頂いてストレッチについて勉強してみてください。

私自身、子供のころから野球・テニス・バスケットボールなど様々なスポーツをしてきました。これらのスポーツに共通していたことは、まずはじめに簡単なジョギングとフットワークを行い、その後にストレッチをして、それから本格的な練習に入っていったということです。

運動系の部活を経験した方にとっては、比較的自然な流れだと思うのではないでしょうか?

しかし、実はこの常識のような話が実は間違っているのではないか?とスポーツ科学界で言われてきています。

それは、ケガのリスクという意味においても、パフォーマンス低下という意味においても、ストレッチは正しく行う必要があるということです。

主な参考文献は以下の通りです。2005年でのまとめと2019年時のまとめを比較して、考察しています。オープンソースなので、全文ダウンロード可能です。

Anderson JC. 2005. Stretching before and after exercise: effect on muscle soreness and injury risk. Journal of Athletic Training, 40 (3): 218-220.

Opplert, J., Babault, N. 2018. Acute effects of dynamic stretching on muscle flexibility and performance: an analysis of the current literature. Sports Medicine, 48 (2): 299-325.

Chaabene, H., Behm, DG., Negra, Y., Granacher, U. 2019. Acute effects of static stretching on muscle strength and power: an attempt to clarify previous caveats. Frontiers in Physiology, 10, 1468.

O’Sullivan, K., Murray, E., Sainsbury, D. 2009. The effect of warm-up, static stretching and dynamic stretching on hamstring flexibility in previously injured subjects. BMC Musculoskeletal Disorders, 10, 37.

そもそもストレッチは、筋肉や腱を伸ばすことで柔軟性を高め、関節の可動域を拡げる効果があります。長期的に見れば、パフォーマンスの向上や怪我の予防に役立つと言われています。しかし、運動前に行うことは何か効果があるのでしょうか?短期的に筋肉や腱を伸ばすことで一時的に柔軟性などが上がるのでしょうか?そして、そのような変化は、本格的な運動に対してパフォーマンスを上げ怪我のリスクを下げるような効果が期待できるのでしょうか?この問いに関しては、未だに完璧な結論は出ていませんが、過去研究の中で共通認識になっていることを以下にまとめています。

運動前に行うストレッチの種類

ストレッチにも色々な種類がありますが、大きく分けると静的か動的かに分かれます。静的ストレッチとは、文字通り体を動かさずに行うもので、動的ストレッチは動きの中でストレッチを行うものです。動的ストレッチにおいても、反動を使うものと使わないものに分かれていたり、Proprioceptive Neuromuscular Facilitation(PNF)と呼ばれる手法もあります。もちろん、これらはそれぞれ異なった役割があるのですが、運動前にトレーナーなどの指示なくとも独りで比較的に安全に行えるストレッチに限定してお話をします。

静的ストレッチとは、昔から行われてきた手法であり、体を動かすことなく筋肉を伸ばしていくことにより、柔軟性や可動域を向上させるものになります。「ストレッチをしている時に反動を使っちゃだめだ!」と言われた方も多いと思います。しかし、運動前に静的ストレッチを行うことが本当に有効かどうかについては疑問が残ります。

静的ストレッチは、パフォーマンスを落とす可能性があるが、1分以内で行えばそこまでパフォーマンスを落とさない可能性がある。

まずはじめに、静的ストレッチを運動前に行うと、パフォーマンスが低下することが報告されています。特に、パワーを要するスポーツにおいては、運動前に静的ストレッチをすることは最大限の能力を発揮するのが難しくなるようです。例えば、ダッシュするスピードや最大ジャンプ力などは低下する可能性が高いと言われています。

しかし、これらの報告をさらに検証していくと、ストレッチをしている時間が問題になるようです。例えば、1分以上同じ場所を伸ばしていると、最大パワーが減少するが、それ以下の短い時間であればそこまで減少しないという報告もあります。なので、100m走の大会やサッカーの試合など、パフォーマンスを競い合う場面でなければ、軽い静的ストレッチはマイナスにはならないかもしれません。

静的ストレッチには、怪我予防効果は少ない。

運動前にストレッチをすると怪我の予防に繋がるというのは、一般的に考えられてきたことですが、最新の科学において運動前のストレッチに怪我予防効果が認められたケースは殆どありません。

ストレッチには筋肉痛予防効果は無い。

運動の前後に関わらず、ストレッチによって筋肉痛を予防できたとする報告は殆どありません。

動的ストレッチは、運動前に行うことで良い効果がある可能性はある。

動的ストレッチを運動前に行うことで、筋肉と腱を柔らかくして、可動域を上げ、筋肉の温度を上昇させる効果が報告されたケースもあります。ただし、Ballisticストレッチと呼ばれる、強く反動を使うようなものは、トレーナーなどの指導無しに行うことは推奨されていません。例えば、「首を回す・肩を回す」など、過度な強度を必要としないものを運動前に行うことは、良い効果があったとする報告があります。

運動前に行うストレッチは、ウォームアップと組み合わせると効果的である可能性が高い。

これは、軽くジョギングをした後にストレッチを行う、という昔ながらのやり方が正しいということを示唆しています。しかし、ウォームアップとストレッチを組み合わせた場合と、ウォームアップのみを行った場合でどちらの方が効果的かどうかは、未だに分かっていません。

まとめ

運動前にストレッチを行うのであれば、ウォームアップと組み合わせることが推奨されます。また、反動を使うようなストレッチは、プロのトレーナー無しに行うのは避けましょう。ストレッチを行う際は、伸ばしすぎないことが大切です。時間にして、1分以上一か所を伸ばすと、パフォーマンスが落ちる可能性があります。運動前にストレッチをすることが何かしらに役立つという決定的な報告は少なく、効果的なウォームアップが大切になります。よって、次回はウォームアップについてお伝えします。

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