運動不足後にウォーキングやジョギングを始める際に注意すること5つ

新年あけましておめでとうございます。

2020年は全世界にとって激動の年となりました。

私自身も、1年の9割近くは自宅やホテルの中で過ごしていたと思います。私が生活をしているオーストラリアのメルボルンでは、事実上4月~10月末までの期間、外出などに大きな制限がかかっていました。「運動の時間」というのは許されていて、「1日1時間自宅から5㎞圏内でマスクをしながら行う」などの厳しいルールはあったものの運動不足解消も兼ねて、メルボルンの市民にとっては非常に大切な時間だったかと思います。

しかし、2021年が始まった今でもコロナ騒動は決して収まったわけではなく、世界各地で「運動不足」が顕著な問題として表面化してくることが予測できます。特に心身の健康面に不安を抱えている人たちにとっては、運動不足が重大な二次被害をもたらす可能性があるため、そうした点での対策も必要になってきます。

2020年に運動不足を経験した人達にとって、「よし、今年は運動をしっかりやるぞ!」と決意をするのは非常に良いことです。しかし、ここで意識して頂きたいのは、「体がかなり弱っている」という可能性です。つまり、昨日まで運動不足だった人が今日から毎日10㎞ずつ走ることが良いことかどうかは疑問です。

突然運動を始めると、下肢関節に大きな負担が・・・
突然運動を始めると、下肢関節に大きな負担が・・・

歩行バイオメカニクスの観点から考えると、運動不足な状態から突然ウォーキングやジョギングを始めた場合の問題点は、足・足首・膝・腰の故障が挙げられます。今回は、①なぜそのようなリスクがあるのか?②どうすればリスクを軽減できるか についてお話したく思います。

Nagano, H., Tatsumi, I. Sarashina, E., Sparrow, W.A., and Begg, R.K. 2015. Modelling knee flexion effects on joint power absorption and adduction moment. Knee, 22 (6): 490-493.

今回は、私が行った歩行シミュレーションに基づく論文を参考にしています。この論文は膝の話ですが、同様のメカニズムから足・足首・腰などにも当てはまっていく内容となっています。その他、力学の基礎を交えてお話をしております。論文は、オープンソースではありませんが、概要のみはこちらから確認できます。その他研究機関などに所属の方は、全文読めると思います。所属が無い方でも購入することは可能です。(米ドルで$35.95)

ウォーキングやジョギングを突然始める危険性

ウォーキングやジョギングの体に対するダメージは、主に足が着地した時の衝撃にあります。この衝撃は、足・足首・膝・腰の順番に伝わっていき、理想的にはそれぞれの場所で少しずつ衝撃を吸収させていき、一か所に負担が集中しないようにすることが大切になります。

「衝撃の吸収」とは、結合組織(例:骨・軟骨・腱・靭帯など)を振動させたり、収縮させたり、温度を上げたり、音をたてたりすることで行われます。この際に、筋肉が大切な働きをしています。例を挙げれば、大腿四頭筋の収縮によりこうした衝撃を吸収させる効果があります。同様に、下腿三頭筋や前脛骨筋などにもそうした役割があります。また、足のアーチにも衝撃を吸収するメカニズムが備わっています。

これらは、「伸張性収縮(Eccentric Contraction)」と呼ばれる筋肉の収縮のしかたによって行われています。伸張性収縮とは、筋肉を伸ばしながら筋肉を使う方法です。これだけ聞いても分かりにくいと思うので、いくつか例を挙げます。

  • ジャンプして着地した時に膝を少し曲げるとき、大腿四頭筋は伸びているが使われている。
  • 重い物をゆっくりと地面に下ろすとき、上腕二頭筋は伸びているが使われている。
上腕二頭筋は使っているが、筋肉は伸びている。ゆっくりとウエイトを下ろす(Eccentric Contraction)

このように筋肉は普通収縮する時に縮むのですが、ゆっくりと伸ばしていく時にも使われています。この伸張性収縮が無ければ、膝を曲げずに着地することになり、膝への衝撃は強くなります。重い物をゆっくりと地面に下ろすときも、上腕二頭筋を使わなければ、全部そのまま落としてしまうことになります。

このように筋肉の伸張性収縮がウォーキングやジョギング時の衝撃吸収に非常に重要な役割を担っているのですが、運動不足は当然筋肉が弱くなるので、この衝撃吸収メカニズムの働きも弱くなります。これらを強くするためには、ウォーキングやジョギングは有効ですが、どのようにして行うのが良いのでしょうか?年始から運動を再開したい人たちに向けて、以下の方法をお伝えします。

運動不足後にウォーキングやジョギングを始める際に注意すること5つ

コンクリートをできるだけ避ける

最も簡単な注意点は、できるだけコンクリートの上を歩いたり走ったりすることを避けることです。簡単な例えを挙げると、卵をコンクリートの上に落としたら割れますが、草むらの上であれば割れないかもしれません。これは、足首や膝に対しても同じで、柔らかい地面を選ぶことをおすすめします。土や草むらはベストですが、そうした場所があまり無い場合でも木の床やトレッドミル(ランニングマシン)などを活用する方が、コンクリートよりはだいぶ衝撃が緩和されます。

屋内であっても靴下やスリッパを履く

これも硬いコンクリートの上を避けるべきだという話と似ていますが、靴下やスリッパなどを屋内で履くことで、足の着地を柔らかくすることができます。靴下やスリッパ程度で効果があるの?と思う方も居るかもしれませんが、継続的に使用していれば一定の効果が期待できます。

力学的に言えばF=m.v/tという数式の中で、tを大きくするという説明になります。このtは時間を意味していて、足が着地してからクッションがすべてつぶれるまでの時間を表します。なので、仮に靴下一枚の効果が0.01秒を0.02秒にするだけであっても、衝撃は半分になると考えることができます。逆に言うと、裸足で硬い床を歩くことは危険だということです。しかし、靴下やスリッパの着用はすべったりつまずいたりするリスクを上げる可能性があります。転ばないように、最大限の注意をしましょう!

水泳やサイクリングを取り入れる

ウォーキングやジョギングは、心肺機能に働きかける運動として有効ですが、下肢関節への負担を考えると、水泳やサイクリングの方が安全な面もあります。ウォーキングやジョギングを突然始めると体を痛める可能性がある場合は、水泳やサイクリングなどから始めてみることが推奨されます。

水泳やサイクリングも有効活用する

筋トレを併用する

大腿四頭筋・下腿三頭筋・前脛骨筋・つま先の屈曲筋群のトレーニングを行ってから、ウォーキングやジョギングを始めることで、下肢関節にかかる負担を軽減させる効果があります。特に、伸張性収縮を意識すると効果的です。

履物を活用する

ウォーキングやジョギングをする際には、衝撃吸収力の高い靴をおすすめします。これは、かかと部分のクッション性が一番大切になります。底が薄い靴は、協議では活用できるかもしれませんが、トレーニングでは避けた方が無難です。あとは、ISEALインソールも、衝撃吸収性に加えて、衝撃吸収しやすいような足首の動きを再現することをサポートしたり、エネルギー効率を高めて衝撃をウォーキングやジョギングで前に進む推進力に再利用したりする効果があります。ぜひ、ご活用ください。

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