2018年4月にバングラデッシュ工科大学にて知財セミナーのゲスト講師としてスピーチしました。

そのご縁から、バングラデッシュ最大の靴会社APEXの社長を紹介してもらい、昨年9月に会いに行きました。

APEXは、革靴を扱っていて、最初の取引先は日本であったりと、日本とも大きく取引をしている会社です。

さらに、自分が歩行バイオメカニクスを学んだ師であるBegg先生は、オーストラリア人ですが、もともとはバングラデッシュ出身です。

こうした流れもあり、うまくいきそうな話でした。

 

 

 

最初にAPEXに行った時は、

「何をするか?」

「どう進めるか?」

を決めることがカギとなりました。

 

「何をするか?」については、既に日本で上履きの売れ行きが好調であったこともあり、子供靴からスタートしたいとのことでした。

1年で10万足近く売れたISEALインソール入りの上履き(『ISEAL 上履き』 で検索してください)

「どう進めるか?」については、ISEALテクノロジーを子供靴に搭載する。そのために、インソールを製造してもらい、それをAPEXが買い取るという話になりました。

 

その後、テレビ電話での話し合いを踏まえて、2019年1月にISEALインソールの製造者とともに、バングラデシュへ行きました。

そこで、APEXの工場を再度見学し、会食をし、いざ話を詰めていくことになりました・・。

革を干しているところ
汚染水は、魚が住めるまでに綺麗にしてから川に流します

前日も前々日もいい感じだったのだが…

通訳をしていた自分が間に入った状態での会話でしたが、一言で言えば…

 

破談!!!

うまくいきませんでした。

理由はコスト。インソール1ペアで100円未満と言われ、製造コストをどれだけ下げてもそこまでは届かず、かといって機能を妥協するわけにもいかず、ダメでした。

 

ビジネスをしている以上、コストの折り合いがつかなければ、どうにもなりません。色々と大きな経験にはなりましたが、APEXとの話はこれにて終了です。

************************************

しかし、落ち込んでいる暇も無く、次の日は500人の研究者と医者の前で、バングラデシュの国にパラダイムシフトを起こす演説をしてきました。

National Science Museumでの講演。

社会の発展には普通順序があり、これは「農業→産業→情報」という一般的な3大パラダイムシフトに準じています。

例えば、日本が大量生産をしていた時代があり、それを中国が請け負い、労働賃金や環境問題など様々な要素のため、徐々にその役割はベトナムやバングラデシュに移行されつつあります。

しかし、この基本的な発展の流れが絶対ではないのが、今日この頃です。

 

その理由は、どれだけ発展途上であっても、ネットを介して、最先端の情報が共有できるからです。

 

これを聴衆に説明したうえで、日本の例も並べてきました。

古くは遣隋使・遣唐使に始まり、明治維新、大戦後 とパラダイムシフトが起こる時には、比較的鎖国状態が長かった日本であっても、外に行って様々なテクノロジーを取り入れ、その後の発展に繋げてきた、という史実を伝えました。

 

そして、「バングラデシュは、大量生産など途上国が発展の過程で担うべき部分を、産業の中心としつつも、それ以外に世界最先端を同時に目指し、国を挙げてそういった特色を出していく必要がある」と熱弁しました。

パラダイムシフトを起こせ!

50年にも満たない国の歴史と平均年齢が20代という若い国の未来を切り拓くというテーマを心に掲げて話したところ、大きな反響がありました。

まずは、ダッカ市内の病院が歩行解析を取り入れたいと手を挙げ、国立科学研究所の所長及び政治家達が、オーストラリアのビクトリア大学に視察にくることになりました。

 

形にしていくことの難しさは重々承知ですが、このように「きっかけを作り、種を育てていく」ということが、昔から唯一自分ができることでした。

「国立歩行研究所の設立」など大きな話しかしなかったので、実現には時間はかかりそうですが、また逐一ご報告いたします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください