私が小さな子供だったある日、珍しく酔っぱらって帰ってきた父が、突然私の両肩をグッと掴み、私の目を直視しながら、こう言いました。

 

「残念ながら、お前は俺の子供だから、天賦の才は無い。ただ一つだけ…志の追求のためには、努力をして、何にしがみついてでも、石に噛り付いてでも諦めない才能がある。」

それだけ言い残し、父は寝てしまいました。

子供心に、なんか「しぶとい感じの才能」を格好いいとは思えなかったことを覚えています。

 

また、酔っていたとはいえ、子供に対して「才能が無い」と言うのはどうかとも思いますが、その日から幸か不幸か私の心にその言葉が強く刻まれました。

 

そんな私が、自分の志を燃やす場所を探し続けて、回り道をしながら行き着いた先は「シニアの方達が、転倒しないようにする」という社会貢献でした。

 

 

祖父の転倒

私は北九州で生まれ、横浜で育ちました。高校生の頃から「健康科学」に興味を持っていましたが、偏差値や受験科目で大学へ進学したため、どうしても自分の選んだ道だと思えず、大学を中退して健康や運動の研究がさかんなオーストラリアのVictoria大学に留学することになりました。そこで、バイオメカニクスという学問において優秀な成績を収めたとのことで、教授よりHonours学位(優等学位)という研究学位に推薦されました。

 

その研究テーマが、「シニアの方の転倒予防」でした。

 

教授には「人生を懸ける覚悟があるなら、やってみなさい!」と言われ、その言葉に幼い頃に刻まれた父の刻印が反応を始め「よし!やってみよう!」という気持ちになりかけました。

 

しかし、いまいちピンとこなかったのは、「転びたくはないけど、擦り剥くくらいでしょ?」という見識だったからです。

 

やるなら本気でやりたいが、本当にこれなのだろうか?と思っていたある日、母から「父(私の祖父)が転んで骨折して、病院に搬送された!」と連絡があったので、急いで北九州の祖父のところに行きました。

 

幸い命に別条はありませんでしたが、全く歩けなくなり、そこから長いリハビリが始まることになりました。

 

 

志のための完全燃焼

この件がきっかけで、「転倒予防に全エネルギーを注ぎ込もう。」と決心しました。

 

調べてみると、転倒はシニアの方にとって大きな問題であることが分かりました。

  • 多くの方が転倒により怪我をして、要支援・要介護に陥っている。

  • 個人レベルでも国家レベルでも医療費増大の要因となっている。

 

Honours学位の一年間…幼いころからの願いであった「志のための完全燃焼」を初めてすることができました!

 

リハビリをしている祖父に会うたびに、「何があっても必ず結果を出すから、諦めずに頑張って!」と言い続けてきました。

 

 

後に引けない状況を作り、とにかく全てを出し尽くした一年間。

 

 

結果として、最高成績を取り表彰され、研究成果は国際論文にて発表されましたが、あれだけやれば誰でもできて当たり前と言える位、とにかく努力をすることができました。

 

 

インソールの開発に成功

そして博士課程で、転びにくくなる靴の中敷き(インソール)の開発に成功しました。

 

インソールは、足首の角度をコントロールするように設計されていて、転倒の最大の原因であるつまずきのリスクを軽減し、バランスや反射速度も向上します。

 

日本では転倒率を1%下げる毎に直接的な医療費だけで365億円以上削減できるので、皆がインソールを履けば、大きく転倒予防に繋がるのではないか?という思いで開発しました。こうした業績を評価され、ISEALという研究機関で働き始めました。

しかし、ここで自分の中の志の炎が燻りだしたのです。

 

 

疑問の芽生え

その理由は、インソールが完成したのに、誰も履いていないという事実からでした。

 

私は研究者として、インソールを開発しましたが、誰かが広めてくれるというわけではありませんでした。

 

それどころか、「インソールの研究も成功に終わったし、次はVRやAIを使った歩行研究だ!」と言われ、それらを始めている自分に疑問が芽生え始めました。

 

インソールが完成したのに、それを世に出さずして、他の研究を始める?

これでは、結局誰一人の転倒予防にも貢献していないのでは?そして、この先も実社会には何の貢献もできないのでは?

 

「研究者は研究が仕事」という現実と「研究成果を社会に還元したい」という自分の思いがバラバラになり、「志を生きる」という原点を考え…法人を起ち上げ、飛び込みでとにかく色々な靴会社を訪問し、転倒予防効果のあるインソールを開発してください!と伝えてきました。

 

 

世界で最もイノベーティブな新しいケア商品

門前払いもありましたが、志の共鳴が起こることもあり、様々な方達のサポートを得て、インソール入りの靴が販売開始され、オーストラリアの新聞に取り上げられ、「世界で最もイノベーティブな新しいケア商品」として、ロンドンで表彰もされました。

そして、所属していたISEAL研究所の名前を取り「ISEALインソール」として、オンラインショップにて販売も開始しました。

 

まだ始めたばかりですが、社会事業として、売り上げは色々と還元したく思っています。

 

 

今後に向けて

日本は、世界一の超高齢社会を迎え、医療費や介護の問題など社会保障制度の破綻が危惧されています。

しかし、さまざまな工夫や、合理的な対応により問題は徐々に解決されていくでしょう。

私は、高齢化に付随する問題を解決するための、サービスや商品を提供する産業(特に健康産業)の活性化に力を尽くしていきたいと考えています。

 

シニアの方はもとより、ウォーキングやジョギングなどのスポーツ時の怪我予防、O脚矯正などの美容効果も期待できる万能なインソールです。

 

その理由は、ISEALインソールは、正しい足首の使い方を再現することで、正しい歩き方を教えてくれるインソールだからです。

 

例えば、ISEALインソールは、上履きにも採用されていて(「ISEAL 上履き」で検索ください)子供のうちから正しい歩き方を習慣づけることにも活躍しています。

 

是非一度、私の魂を込めた作品、「ISEALインソール」を以下、トップページより、商品一覧ご覧ください!

よろしくお願いいたします。

 

www.iseal-insole.net/jp

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