「成功哲学にすがる」
オーストラリアに戻り、期末に向けて、Global Bridge Melbourneの諸作業を行っていました。
今までは経理などは任せっきりだったので知りませんでしたが、まだ大した取引がないにも関わらずここまで大変な作業であるとは思いませんでした。
しかし、オーストラリア内でも様々な人たちのサポートを得て、どうにか事業を進めているところであります。
オーストラリアで生まれたISEAL技術をブランド化し、世界に発信する。それを基軸に健康促進の分野において社会貢献をする。
特に、日本を筆頭に高齢化が進む先進諸国における健康寿命の延伸を進めることを、第一のミッションとして事業を進めています。
そんな中、途方に暮れることも多く、何をすれば良いのか見失ってきたことも多々ありました。
自分自身は、人生で初めて命を懸けた努力をしたのは2008年のHonours学位でした。
Honoursとは、修士研究に相当する学位であり、10カ月という短期間で修了することが可能な学位です。
ただ、これを受けるには教授の推薦が必要で、だいたい年間10人前後が大学内外から選抜されます。
Honoursにおいて良い評価を得ることが奨学金獲得とPhDへの条件となります。この奨学金ですが、当時は留学生で、留学生の場合は、International Postgraduate Research Scholarshipという倍率が数百倍の超難関なものしかありませんでした。
しかし、これが取得できれば、PhDの研究費は全て無料となり、研究中の生活費も給付され、返還義務も無いというある意味夢のような話ですが、取得できなければそこで道は閉ざされるというものでした。
「授業料を考えても、博士研究への道を考えても、奨学金が取得できなければそこで道は閉ざされる」といった重圧の中、10カ月の命を懸けた孤独な戦いが始まりました。
最初は、完璧な計画を立てました。
朝は早起き、食事はバランスを考えて、運動も毎日1時間、夜も11時位までには寝る…しかし、これでは不安が消えず、本当に全ての時間とエネルギーをそこに費やしているのかということに、疑問が生まれました。
というのも、10カ月後に試験があるのであれば、スケジューリングがカギとなるでしょう。
しかし、研究というのは、とにかく深い穴を掘って、その中から何かを見出すという作業であり、ふと気づくとその深い穴の中に居るのは自分だけという状況になります。
指導教官は、自分が穴の中に入って行ったことは知っていますが、他の誰も今の自分の状況を知らない…そういった状況の中、どれだけやれば良いのか?その基準がありません。
模擬試験で毎回100点取れるようになるのを目指すのも非常に大変ですが、一体全体自分が今全行程のどの辺りに居るのか見当がつかないことは、不安の限りでした。
結局、規則正しいスケジューリングは1週間ほどしか続けられず、その後は朝から晩まで寝る以外の時の全ての時間と全てのエネルギーを注ぎ込みました。
行きついた結論は、「やることを全てやる。それでダメなら、自分の才能の無さがゆえなため、どうにもならない。」と言い切れるまでの努力をするしかない、ということでした。
途中で、愛すべきものを失い、その弔いに日本に数日帰りましたが、「悲劇的な死があったのでできなかった、まぁ仕方ない。」とだけはしたくなく、悲しみに潰れそうになりながらも、ひたすら「研究論文を読む、実験を行う、データを分析する、論文を書く、修正する」の工程を続けてきました。
朝も夜も日曜日も月曜日も関係なくなってきた中で、トンネルの出口の光は一向に見えずとも、とにかくやり続け、ようやく「これでダメならどうにもならない。やることは全てやった。」という境地までたどり着きました。
結果として、大学賞や奨学金を得ることができ、ISEALインソールの理論を生み出すことができましたが、、、語弊があるかもしれませんが、「できてあたりまえ」だと思いました。
むしろ、自分と同じだけやり切れば世の中のほとんどの人にできたと今でも思う位、努力ができました。健康やコミュニケーション能力を始め若干犠牲にしたものもあったかもしれませんが、人生の選択として本当に貴重な1年となりました。
しかし、今自分が走っているレールの上から考えると、まだまだ社会貢献を果たせるレベルには達していないことが露呈されています。
確かに、「一つのことをとことんやる努力」という意味では、Honoursを通して最高の事ができたと思います。
しかし、ISEALインソールを広めて転倒リスクを下げ、健康寿命延伸や医療費の削減に繋げるというミッションにおいて、「一つのことをとことんやって、ダメなら才能がありませんでした、ごめんなさい。」では、ダメで、多角性が必要になります。
さらには、「本当に今やっていることが、正しいのか?」という恐怖の自問自答を繰り返し続けなくてはなりません。
研究だけやっていれば転倒リスクが下がっていくわけではなく、良いものを造り、拡げるためには、人間関係の構築、法律的な側面、経理、収支計画、資金、協力者など様々な要素がありますし、「これをやっていれば正解」というものが全く分からず試行錯誤の日々です。
例えるならば、野球で打てるようになるために素振りを毎日1000回自らに課しても、「本当に素振りをやれば打てるようになるのか?」と自問自答するようなもので、これはある意味毎日素振りを5000回するよりも恐怖があります。
継続は力なり、なのでもしかしたらもうすぐ効果が出るのかもしれないし、あるいは全く見当違いかもしれない。現状の社会問題を解決するためには、正解らしきものはあっても、まだ社会問題として存在している限りは「これさえやれば解決される」という答えはないのだと思います。
後戻りができない、片道切符で乗り込んだ自分自身のレールの上を走る重圧と不安に押し潰されそうになった時や、何も喉を通らず思考も止まりそうな位な困難に直面した時は、常に先人の生き様を参考にさせて頂いています。
同じ分野、同じプロジェクトをしてきた人は居なくても、自分自身のレールを走りぬいて目標を達成してきた人は、歴史上に存在しています。
分野は、違えど共通点があり、それを今の自分に重ねていく作業が、唯一の特効薬になるような気がします。自分はこれを「成功哲学」と呼んでいて、様々な人たちの成功事例の共通項をまとめていくと、残念ながらまだまだ自分には困難が待ち構えていることが予想できます(笑)
むしろ、そうした困難が来てくれないとたどり着けないと思うので、変な言い方をすれば困難を心待ちにしています。
しかし、先人たちに襲い掛かった様々な困難を見るに、あまり楽しみにもできないところではありますが…。
「オンラインマーケティング」
このように何をすれば自分のプロジェクトが達成されるのかは暗中模索ですが、自分が今大切だと思っているのは「オンラインマーケティング」です。
様々な協力企業のおかげで、良い品物はできました。また、インソールを搭載した商品の販売も開始されています。
このマーケティング効果をさらに高めるには効果的なオンラインマーケティングが必要です。IT産業はウェブサイト作成に始まり、携帯アプリゲーム、そして今はオンラインマーケティングに移ってきています。
新聞やテレビなどのマスメディアが王道であることは否定できませんが、より安価で届いてほしい人たちに届くのがオンラインマーケティングの特徴です。
より多くの人達にISEALインソールを伝えるためにも、オンラインマーケティングを始めたく思います。皆さまも、ISEALインソールのウェブ広告を目にすることがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いいたします!
「新商品」
前回お話させて頂いた上履きが好評で、より多くの生産が決定いたしました!
ネット販売にプラスして、しまむらグループのBirthdayという子供向けショップでも好評発売中だそうです。ぜひ、お子様に正しい歩き方を学んでもらうためにも、ご利用いただきたく思います。
それ以外にも、色々なインソールが完成しました。
アボリジニー柄は、オーストラリアの先住民のアートとなります。
その他、人口合皮のインソールは、より高級感があり、蒸れにくい特殊な加工をしてあります。